犬だって夏バテする!愛犬を熱中症のリスクにさらさない暑さ対策とは! 2023/8/2 更新
高温多湿の日本の夏。犬は人間以上に暑さが苦手です。梅雨明けから残暑が続く9月頃までは夏バテや熱中症のリスクも高まります。今回は、愛犬にとっても飼い主にとっても快適な夏場の飼い方のポイントと、夏バテ・熱中症の対策を解説。また、暑い季節にぴったりなひんやり・クールアイテムもご紹介します!
1. 犬が暑さに弱い理由と、快適に過ごせる温度は?
犬は暑さに弱い生き物です。犬の基礎体温は約38℃から39℃くらいと、人間よりもかなり高めです。全身が毛で覆われており熱を逃がしにくい構造なのに加え、汗腺も発達していないので汗をかくことも苦手。体温調節は呼吸でするしかないのです。興奮したり暑かったりしたときに、ハアハアと荒い息をするのは呼吸で熱を逃がしているからなのです。
一般に小型犬のほうが大型犬よりも高めですが、子犬や老犬、肥満症などの他、以下の犬種も暑さへの耐性が弱いので注意が必要です。
短吻種(または短頭種)
頭蓋骨の長さ(スカル)に比べて鼻の長さ(マズル)の短い、フレンチ・ブルドッグやパグ、シーズーなど『鼻ぺちゃ』さんたちは、鼻から気管までの気道が狭くなりやすく、スムーズな呼吸がしづらいため熱を逃がしにくい犬種です。
短足の犬
ミニチュア・ダックスフンド、コーギー、ペキニーズなど短足の犬は、体全体が地面に近く、照り返しや地熱の影響を受けやすいので、屋外を散歩するときは注意が必要です。
毛の長い犬
シベリアンハスキーやゴールデン・レトリーバーなどダブルコートに覆われた犬は、体温を逃がしにくく、熱中症にかかりやすい傾向があります。
快適に過ごしやすい温度は
適温の目安は21℃〜25℃前後ですが、同じ温度でも湿度によって体感温度は変わります。湿 度が高いと呼吸による体温調節が効きにくいので、湿度50〜60%を保つようにするとよいでしょう。 暑すぎたりジメジメしすぎたりしないように、温度計や湿度計を設置して、こまめに調節してあげてください。
2. 暑い時期の飼い方で注意したいことは?
まずはエアコンで部屋の温度・湿度が上がりすぎないようにします。電気代はかかりますが、命に関わる熱中症のリスクから愛犬を守るためにエアコンを適切に使いましょう。エアコンよりも扇風機を使いたいという人もいるかも知れませんが、扇風機は風の当たっているところの体感温度を下げるだけで、暑さ対策としては不十分です。とはいえエアコンの涼しい風を循環させるのには有効ですから、エアコンと併用するようにしましょう。
また、窓に遮熱性の高いカーテンをつける、床に熱の放出を助けるクールマットを敷くなども+αの対策としておすすめです。
接触冷感で、夏のお家時間を快適に!Caluluのおすすめマット
肌に触れたときにひんやりと冷感の得られる接触冷感素材を使用。車やキャリーにも使え暑い季節には何かと便利です。
3.夏バテ・熱中症の見分け方と、なってしまったときの対処法!
酷暑で体調を崩しやすくなるのは人間だけではありません。犬も同様に「夏バテ」します。
「いつもと様子が違う」、「普段よりも暑い環境で生活した」というようなことがあれば、動物病院に相談してください。徐々に体力が低下する「夏バテ」に対して急に症状が現れるのが「熱中症」です。熱中症は必ずしも炎天下で起こるというのではなく、室内でも引き起こされることがあります。
以下に夏バテ・熱中症の主な症状と対処法を紹介します。
夏バテ | 熱中症 | |
---|---|---|
症状 | ・食欲がおちる ・動きが緩慢になる ・ぐったりしている ・睡眠時間が長くなる ・下痢や嘔吐の症状が見られる ・落ち着きがなく不安そうにする |
●できるだけ涼しいところに移し、体力の回復に努める ●消化のよい食事を与える(ドライフードはお湯でふやかすと食べやすい) ●下痢・嘔吐などがあれば動物病院を受診し、点滴や薬の処方を受ける |
対処法 | ・体が熱い ・呼吸が荒くあえぐような息づかい ・反応が鈍い、ふらつく ・麻痺やチアノーゼ(舌の色が濃い紫色に)が見られる *愛犬の舌の色を日頃から把握しておいて、チェックしましょう |
●冷房の効いた部屋でクールダウンし、水分を補給する(冷たい水を少量ずつ、スポーツドリンクの場合は薄めて与える) ●保冷剤や濡らしたタオルで脇の下や首、足の付け根などを冷やす ●応急処置が終わったら(危険な症状が見られるときはすぐ)動物病院で治療を受ける |
愛犬が脱水症状かどうかを見分けるポイントは、首の後ろの皮膚を軽くつまんですぐに戻らないようなら脱水気味と考えられます。また、目や口のまわりが乾いている。おしっこの回数が減っているなども脱水の可能性が高いです。夏バテや熱中症でダメージを受けてしまうと、どんな治療をしても助けることができなくなりますので、日頃からワンちゃんの様子をよく観察しておきましょう。
4. 留守番のときも室温と水分の管理をしっかりと!
エアコンをつけずに窓を閉め切った部屋は、大変高温になります。室内で飼っている場合は、留守中もエアコンはつけたままにし、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるとよいでしょう。毛を短く刈り込む「サマーカット」という方法もありますが、短くし過ぎると太陽の熱が直接皮膚に当たったり、紫外線の影響で炎症を起こしやすくなったりすることもありますので、注意が必要です。
体内の水分が減ると熱中症にかかりやすくなりますので、飲み水はきらさないように、いつでも新鮮な水が飲めるように水はこまめに取り替えてしてあげましょう。自動給水器を設置するのも一つの手です。
5. 夏の散歩はやけどや熱中症に注意!虫よけ対策も
犬は散歩が大好き!とはいえ暑い時期の散歩は飼い主にとってもつらいものです。日光に照らされた地表の温度は60度以上になることもあるとか。犬は顔が地面に近いため、照り返しの熱を直接受けてしまいます。また素足で歩くので肉球がやけどを起こすこともあります。夏の散歩は、日差しやアスファルトからの照り返しを避ける早朝や夜の時間帯にしましょう。どちらの時間帯でも必ず素手で地面を触って、地面の熱を確認しましょう。 散歩中もこまめな水分補給が欠かせません。ハンディーシャワー機能のついたものは体を冷やすのにも役立ちます。 また、蚊やダニなどから愛犬を守る虫よけグッズも忘れずにもっていきましょう。
6. ワンちゃんの暑さ対策に!Caluluのクールウエア&ひんやりグッズ
汗をかいて体温調節をすることができないワンちゃんの暑さ対策に、冷感素材を使ったウェアや保冷剤の入れられるスカーフなど、ひんやり快適アイテムを紹介します。
着心地のよいメッシュ素材、夏のお出かけも楽しく涼しく
グラデーションのタイダイ柄がオシャレで爽やかなタンク。虫よけ加工・クール加工付き。
アクティブでおしゃれなバンダナスカーフプリントのタンク。虫よけ加工・クール加工付き。
ポケットに保冷剤をイン!ひんやり長続きアイテム!
首元のワンポイントとしておしゃれなスカーフ。中央に保冷剤を入れられるポケット付きで暑い日のお散歩に大活躍。3サイズ展開。保冷剤付き。
COOL加工でひんやり!カジュアルなデザインのペット用ベッド
繊維上の菌の増殖を抑えるナノファイン使用。取り外し可能なカバーは接触冷感生地でひんやり!広げてマットに、折りたたんで枕にも使えます。
ONE OCTAVE(ワンオクターヴ)ギンガムチェックフリルベッド
ひんやりサラっとした接触冷感生地で暑い夏にぴったりのクールベッド。あごのせができる枕付き!
シーンによって使い分けできる充電式のハンディファン
スタンド・クリップ・ハンズフリーとシーンによって使い分け可能、バッグやキャリー、ゲージなどで、好きな角度に調節して使えます。くり返し使えるUSB充電タイプ。
ひんやりウエアやクールアイテム、もっと詳しく知りたい方はこちら
体温調節が苦手なワンちゃん、飼い主がしっかりと暑さ対策をすることが大切です。特に熱中症が気になる季節は、水分補給や室内の温度調節、散歩に出る時間にも気をつけながら、元気に過ごせる快適な環境を作ってあげてくださいね。
しおせ犬猫病院 塩瀬 将之 院長
2000年に日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)を卒業後20年以上に渡り獣医として活躍中。
2009年5月に神奈川県横浜市に『しおせ犬猫病院』を開院後は、自身も動物を飼っていることから、動物たちを愛する飼い主として、飼い主さんの立場に立ち動物に寄り添った診療をされています。