人気犬種ポメラニアンの飼い方・しつけ方　ポメプーやポメチワなどミックス犬も紹介！ 2024/3/01 更新

笑顔でみつめるポメラニアン

まん丸な目、コロンとした愛らしい外見、ふわふわな被毛が魅力のポメラニアン。アニコム損害保険株式会社の『人気犬種ランキング2023』で第6位に入る人気の犬種です。そんなかわいらしさと人気を兼ね備えたポメラニアンですが、飼育を間違ってしまうと少し困った犬に育ってしまうことも。

この記事では、ポメラニアンの基本情報、しつけ方、かかりやすい病気、被毛のケア方法を徹底解説。また、最近人気が高まっているポメプー、ポメチワ、ポメマルといったポメラニアンと他の小型犬とのミックス犬の特徴を紹介します。

ポメラニアンを飼うことを検討中の方も、すでに飼っている方にも役立つ情報をお伝えしますので、参考にしてみてください。

1.ポメラニアンの基本情報、平均的なサイズや毛色の種類、性格は？

様々な毛色の3匹のポメラニアン

まずは、ポメラニアンに関する基本的な情報を知っておきましょう。ポメラニアンのサイズ、毛色、性格などを、「一般社団法人ジャパンケネルクラブ（JKC）」刊行の『全犬種標準書』も参考にお伝えします。

祖先はドイツ原産の牧羊犬

ポメラニアンの原産地は、主にドイツ北部にあるポメラニア地方です。祖先であるジャーマン・スピッツが品種改良により小型化されて生まれた犬種です。

ポメラニアンの平均的なサイズ

JKCの犬種標準では、体高、体重、体のサイズの比率が下の表のように記載されています。

体高: 21cm±3cm
体重: サイズにふさわしい体重
体のサイズの比率: 体高：体長=1：1
マズルの長さ：スカルの長さ=約２：４

体高は四つ足を地面に付けて立った時の地面から背中までの高さ、体長は胸からお尻の先までの長さを言います。犬の体のサイズを測るときは、被毛の分の厚さは含みません。

体重は、具体的には1.8～2.3㎏程度といわれています。

活発で明るく、飼い主に忠実な性格

ポメラニアンは活発で明るい性格です。飼い主や家族が大好きで、忠誠心も強くよくなつきます。頭が良く従順であることから、しつけや訓練がしやすい犬種です。

ポメラニアンの先祖は、牧羊犬や番犬として働いていました。この気質は今のポメラニアンにも引き継がれており、小さいながらも勇敢で、大きい犬にも負けずに吠えかかっていく勝気な性格です。

毛色はバラエティーに富む

ポメラニアンの毛色は、よく見かけるオレンジ色から、複数の色の毛が混ざった色まで多種多様です。

JCKの犬種基準には下のように記載されています。

毛色: ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレーの色調、その他の毛色

その他の毛色とは、クリーム、クリーム・セーブル、オレンジ・セーブル、ブラック・アンド・タン及びパーティカラー。

セーブルは、毛の根元から中間部まではホワイトやブラックといった基本の色があり、毛先は黒くなっている毛を指します。タンは黄褐色、パーティカラーは基本的にホワイトの毛色に、ブラウンなど濃い色の斑が入った模様のことです。

被毛はダブルコートで長く、量が多い

ポメラニアンは、ダブルコートという被毛を持ちます。硬くてまっすぐなオーバーコートと、皮膚近くに綿のようにふわふわしたアンダーコートの2種類の毛が生えています。

首の周りの、ライオンのたてがみのような部分はラフと呼ばれます。尾は毛量が多く、高い位置についており巻尾です。

2.ポメラニアンの無駄吠えを防ぐ関わり方・しつけ方について

様々外でお手をするポメラニアン

ポメラニアンの飼育の悩みで多いのは無駄吠えです。元々ポメラニアンは祖先が牧羊犬や番犬として活躍していた名残で、よく吠える犬種といわれていますが、接し方によって無駄吠えを助長してしまうこともあります。ポメラニアンの性格を理解し、上手に関わることで無駄吠えを改善していきましょう。

ポメラニアンは甘えん坊の構ってちゃん

ポメラニアンは飼い主が大好きなため、いつも自分を見てほしい、構ってほしいと思っています。飼い主がいつも犬優先で甘やかして育てると、自分の思い通りにならない時に要求が通るまで吠えるようになります。

構いすぎで分離不安を示すことも

かわいがりすぎは分離不安という問題行動を引き起こすこともあります。分離不安では、自分の体をなめたり、噛んだりして傷つけたり、粗相をしたりという症状が出ます。

犬の分離不安は大抵が軽度で、犬との関わり方を改善すると収まっていくことがほとんどです。分離不安があまりに強く表れる場合は、獣医師やドッグトレーナーなどの専門家の助けを借りて薬物療法や行動療法を受ける必要があります。

ポメラニアンの無駄吠えのしつけ

ポメラニアンのしつけは構いすぎないことが大切です。
無駄吠えを始めたら

●まずは反応しない。反応すると、犬は鳴けば応えてくれると学習し逆効果になります。
●あまりに鳴き止まないときは、「おすわり」「ふせ」といったコマンドを挟み、それができたらほめてあげること。命令を聞いたらほめてもらえる」ということを犬に覚えさせると同時に、落ち着く姿勢を取らせる効果があります。

ポメラニアンがかかりやすい病気は？

様々病院で診察を受けるポメラニアン

ポメラニアンがかかりやすい病気には、以下のようなものがあります。

●膝蓋骨脱臼
●アロペシアX
●涙やけ

それぞれ病気の原因や対策をご説明します。

膝蓋骨脱臼

全犬種に起こる病気ですが、小型犬では足の成長異常で子犬の頃から発症することが多いです。膝のお皿が正しい位置からずれてしまい、歩行異常や痛みを引き起こします。

治療は脱臼の程度や年齢により、リハビリによる保存療法か手術を選択します。

予防法は膝への負担を減らすために

●肥満にさせない
●肥満の場合は減量する
●床に滑らない敷材を敷く
といった方法があります。

アロペシアX（脱毛症X）

ポメラニアンに多く、別名「ポメラニアン脱毛症」ともいわれます。体躯にかゆみのない脱毛が見られます。この病気は発症の原因や治療法、予防法がわかっておらず、様子を見ていくしかありません。

涙やけ

涙やけは、目の下の毛が涙の成分で赤茶色に染まっている状態です。原因は、鼻涙管閉塞や結膜炎など目の病気によるものもあれば、食物アレルギーに由来する時もあります。ポメラニアンやプードルのように、目の際まで高密度に細かい毛が生えている犬種では、毛が目に触れる刺激で涙が過剰に出て、その結果涙やけができることも多いです。

目の病気を疑う時は動物病院を受診しましょう。食物アレルギーが原因の時は、ドッグフードを変えると改善することもあります。目の周りの毛は、トリミングの時にトリマーに少し切ってもらうとよいです。

4.柴犬カットやテディベアカットなど人気の可愛いトリミング3選をご紹介！

トリミングをされているポメラニアン

ポメラニアンは被毛の量や長さを整えていかないと毛玉ができたり寝ぐせが付いたりしてかっこ悪い見た目になってしまいます。おうちでのケアと併せて、定期的にサロンや動物病院のトリミングに通うのがおすすめです。

ラフと尾に長さを残したポメラニアンらしいカットにするのもかわいいですが、最近は、ラフと尾の長さを調節して、一般的なポメラニアン像とは違った見た目にするのも人気です。人気のカットを3つ紹介します。

柴犬（豆柴）カット

顔周りは丸いフォルムになるようにラフの長さを整え、体は全体を短めにカットすることで柴犬のようなスタイルに。普段被毛に埋もれがちな三角形の耳が大きく見え、きりっとしたイメージになります。

ライオンカット

顔顔周りの立派なラフは残し、体は尻尾の先を残して短めにカットします。まるで立派なたてがみを持つ雄ライオンのようなフォルムに仕上げます。

テディベアカット

顔柴犬（豆柴）カットと似ていますが、顔周りは丸く、耳を丸く見えるように整え、体を少し長めにカットすることでクマのぬいぐるみのような愛らしい見た目になります。

おうちでのケアは、毎日のブラッシング

顔おうちでは毎日ブラッシングをして毛並みを整えてあげましょう。ブラッシングには、皮膚の血行を促進し、適度に毛に皮脂をいきわたらせて毛の成長を促す役目もあります。被毛の奥の方に潜んでいるノミやダニのチェックもしてあげてください。ポメラニアン始めダブルコートの犬は春や秋の換毛期には、大量のアンダーコートが抜けますので、ブラッシングで優しく取り除いてあげましょう。