手作りごはんで一緒に旬を楽しもう。初心者でも楽しく続けられる手作りのコツを紹介 2024/10/17 更新
「愛犬に色々な食材を使って手作りごはんを食べさせたい」
「イベントやお祝い事の食事をワンちゃんと一緒に楽しみたい」
と思っている飼い主の皆さんも多いことでしょう。しかしいざ作るとなると、必要な栄養や味付けなどに悩んでしまいますよね。
この記事では、手作りごはんにチャレンジしたい方が参考になるように
● 犬に必要な栄養バランス
● 食物アレルギー、調味料の使用、味付けなど、手作りごはんの注意点
● 食材選びのポイント
● 楽しくごはん作りを続けられるコツ
を紹介します。おすすめの安心・安全なフードやおやつも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
手作りごはんに必要な栄養素と割合
犬の体や消化の特性をもとに、犬に必要な栄養素や、それらの割合を解説します。
たんぱく質1、野菜1、炭水化物0.5〜1の割合がおすすめ
犬の手作りごはんは、肉や魚などの良質な動物性たんぱく質を中心に用意します。たんぱく質が決まったら、ビタミン、ミネラルを豊富に含む野菜や果物を同程度用意し、炭水化物をやや少なめに加えましょう。
犬は動物性たんぱく質の消化が得意
犬は本来、肉食寄りの雑食動物で、動物性たんぱく質の消化が得意です。ごはんのレパートリーとして、豆腐やおからなどの大豆食品を植物性たんぱく質として使うのは問題ありませんが、犬の体には植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が合っています。
炭水化物の消化は少し苦手
人の食事は、お米やパン、うどんなど小麦製品といった炭水化物がないと食事をした気にならない方も多いでしょう。人の体は炭水化物を消化するアミラーゼという酵素が唾液や膵液に含まれていて、スムーズに炭水化物を消化することができます。
しかし、犬は膵臓に少量のアミラーゼしか持たず、炭水化物の消化はあまり得意ではありません。炭水化物の割合はやや少なめで良いでしょう。
栄養バランスは数日単位で整っていればよい
毎食、カロリーや栄養素を厳密に管理していたら食事作りに疲れてしまいます。家族の食事作りと同じで、必要な栄養素をまんべんなく摂取できていれば、数日〜1週間単位で栄養バランスを考えて大丈夫です。
手作りごはんの注意点
調味料、塩分、味付け、食物アレルギーなど、手作りご飯を用意するときに気をつけておきたいポイントを解説します。
手作りごはんに調味料はいらない
犬の手作りごはんの味付けには、砂糖や塩、醤油などの基本的な調味料を始め、コンソメやソースなど風味を足すための調味料も全て必要ありません。塩分や糖分を多く摂っていると、肥満や血圧上昇の原因になったり、心臓や腎臓に負担を与えることになったりします。味付けは素材の風味だけで大丈夫です。
野菜はよく切って煮るのがベスト
犬は野菜の消化もそれほど得意ではありません。にんじんなどの根菜類をあまり切らないで食べさせると、ほとんどそのままの形でうんちに出てくることもあります。栄養素を多く取り入れたいなら、すりおろす、細かく切って煮るなどして消化しやすい形にしましょう。
食物アレルギーのワンちゃんの手作りごはん
食物アレルギーを持つワンちゃんの手作りごはんには注意が必要です。まず第一に、食物アレルギーが疑われる場合は獣医師に相談して食材を特定しておきましょう。食物アレルギーの原因として多いのは、肉類、乳製品、卵です。原因食材がわかったら愛犬に合わせた除去食を用意してあげましょう。
食材選びのポイント
手作りごはんに入れる食材について、選び方や注意点を解説します。
肉、魚などの動物性たんぱく質は鮮度が命
まず、肉や魚は鮮度が高いものを与えましょう。衛生的に処理された肉なら生か加熱かはそれほど問題ではありません。
鶏のささみは手軽に調理できるだけでなく、低脂肪・高たんぱくで手作りごはんのたんぱく源におすすめの食材です。鹿肉や馬肉も栄養価の高い肉ですが、一般のスーパーでは手に入りにくく、高価です。
魚を好む犬はあまり多くありませんが、魚を使うときはぶりなど油の多い魚は避けましょう。スーパーで刺身を購入し、湯がいて使うのも手軽でおすすめです。
野菜、果物
犬は甘味を感じ取ることができると言われ、かぼちゃやさつまいもなどの甘い野菜が好きな犬も多いです。果物は糖分を多く含むので与えすぎないように気をつけましょう。
缶詰、加工品
オイルのツナ缶など、油分の多い缶詰や加工品は与えないようにしましょう。水煮缶なら問題ありません。ハムやウィンナーなどの塩分の多い加工品は、たくさん食べすぎると塩分取り過ぎになるので注意しましょう。
犬にあげてはいけない食材
犬に食べさせてはいけない食材の代表的なものを紹介します。
ネギ類
長ネギ、玉ねぎ、ニラなどネギ科の野菜は、赤血球を破壊し貧血を起こす成分を含んでいます。
チョコレート
カカオに含まれる成分が嘔吐や下痢などの消化器症状をおこし、大量に食べるとショック状態に陥ることもあります。
鶏の骨、蹄(ひづめ)
鶏の骨は割れると先端が尖るので、消化管を傷つける恐れがあります。最近おやつとして売られていることのある牛の蹄は、上手に消化できず消化不良を起こすワンちゃんも多いです。
その他、消化が苦手な食材には、えび、いか、たこなどのシーフード、牛乳、生卵、玄米、雑穀米があります。
食べてしまったら動物病院へ
もしも犬に与えてはいけない食材を食べてしまったら、症状が出るかどうか待っているよりも動物病院を受診し処置を受けましょう。小型犬は体が小さい分少量でも症状が出ることがあります。チョコレートなどの包み紙が残っていれば成分がわかるように持っていきましょう。
楽しく手作りごはんを続けるコツ
手作りごはんは愛犬の健康を願って作るもの。日々のごはん作りが負担になり疲れてしまったら自分にとっても愛犬にとってもよくありません。ここでは、楽しく手作りごはんを続けるコツを紹介します。
気軽に取り組む
「犬用の食材を買って、毎食調理方法も変えて」と頑張りすぎると食事作りがストレスになってしまうこともあります。ドッグフードに慣れていると、せっかく用意したごはんを食べてくれないこともあるかもしれません。家族用に用意した食材をちょっと細かく切って、よく煮て与えてみるというくらいの気持ちで、気軽に取り組んでみましょう。
ドッグフードも上手に活用する
栄養学的には、総合栄養食の表示のあるドッグフードと水を与えていれば犬の成長や健康には問題ありません。
品質や添加物が心配でドッグフードをあげたくないと思っている方もいるかもしれません。現在、国内で市販されているペットフードは「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法、平成21年6月施行)により製造の方法や成分が定められています。心配なら獣医師に相談して、安全で高品質なドッグフードを紹介してもらいましょう。
誕生日、イベントなど記念日だけ手作りする
毎日の手作りごはんは大変という方は、イベントやお祝い事の時だけ、手作りごはんを用意してあげるのもよいでしょう。
例えば、お月見の時期に家族にはお月見団子、犬にはマッシュポテトを丸めて団子を作り家族でお月見を楽しむというように、その時期の旬の野菜を取り入れ、家族全員で食事を楽しみましょう。
トッピングだけ作る
ごはんを1から作るより、フードの上にトッピングするおかずを用意してあげるのも手軽に手作りごはんに取り組める方法です。
また、シニア犬や、ちょっと食欲が落ちているワンちゃんには、カッテージチーズなど塩分の少ないチーズや、青のり、かつお節など風味のよい食材を使うと、香りにつられてよく食べることもあります。
おすすめのドッグフードとおやつ
安全性の高い国産素材で作られたドッグフードや、おやつ、トッピングにも与えやすいレトルト食を紹介します。
ドットわんごはん 4種お試しセット 20g×4
厳選された国産材料を使って作られた総合栄養食です。犬に必要な栄養素をこれ1品で補うことができます。国産牛をベースにしたごはんーRed mindー、2種類の鶏肉をブレンドした鶏ごはん、豚ベースの豚ごはん、白身魚ベースの魚ごはんの4種類をセットにしました。
ドットわん フリーズドライチキン 12g/52g
国産鶏の胸肉をスチームで下処理し、フリーズドライ加工しました。そのままおやつとして与えたり、お湯で戻して柔らかくして与えたりと、様々にアレンジできることもポイントです。
ドットわん 黒毛和牛ステーキ 30g
国産の黒毛和牛の肉をステーキにし、レトルト加工で風味を閉じ込めました。そのまま与えることもできるし、フードにトッピングすればおいしそうな匂いで食いつきがアップします。保存期間は1年間です。
ドットわん逸品 焼き芋きんとん 33g
新潟県産紅はるかを蒸し焼きにして、きんとんにしました。秋は焼き芋の美味しい季節。愛犬と一緒に食材の旬を楽しみたい方におすすめです。素材の水分含有量により、商品の状態にばらつきがあります。
まとめ
愛犬の手作りごはんを作りたいと考えている方に、手作りごはんに必要な栄養バランスや、食材選びの注意点、手作りごはんを楽しく続けるコツを紹介しました。
肉、魚などの動物性たんぱく質を中心に献立を考え、同じくらいの量の野菜・果物、やや少なめの炭水化物を加えていきます。味付けは特に必要なく、加工品を使う時はオイル缶や塩分の多いものは使わないようにしましょう。
毎日の手作りが大変な方は、イベントの時に旬の食材を用いたスペシャルメニューを用意してあげるのもよいですね。飼い主の愛情たっぷりの手作りごはんで愛犬の健康を守っていきましょう。
しおせ犬猫病院 塩瀬 将之 院長
2000年に日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)を卒業後20年以上に渡り獣医として活躍中。
2009年5月に神奈川県横浜市に『しおせ犬猫病院』を開院後は、自身も動物を飼っていることから、動物たちを愛する飼い主として、飼い主さんの立場に立ち動物に寄り添った診療をされています。