犬の抜け毛が増える換毛期。お手入れ、お掃除、どう乗り切る？ 2024/04/05 更新

「換毛期」に毛が抜けるのはなぜ？犬種による違いは？

毎年その時期になると飼い主を悩ませる犬の「換毛期」。換毛とはその名の通り毛が生え変わることですが、春と秋は特に大量に抜け替わるので、手入れや掃除に頭を悩ませると いう人も多いのではないでしょうか。
換毛期の長さや抜ける毛の量は、犬種、被毛の種類などによって異なりますが、一般的には春と秋、期間は6〜7週間程度といわれます。

毛がある限り抜け毛は存在するわけですが、シングルコートよりもダブルコートの方が抜けやすいという特徴があります。

では、なぜ春と秋に毛が抜けるのでしょうか。それは夏の暑さや冬の寒さに適応するためです。春は、暑い季節を快適に過ごせるよう通気性にすぐれた夏毛に、秋は、ふわふわの毛の間に空気をたくわえて体温を逃さないように冬毛に生え変わります。言い換えれば、換毛期は犬の衣替えの時期なのです。

※チワワはもともと換毛期のない犬種でしたが、交配を重ねた結果、ダブルコートのチワワも生まれ、換毛する個体もあります。

ただし、床暖房やエアコンで室温が一定に保たれている室内犬の場合、年間を通してほぼ均等に毛が抜ける子もいます。

病院に行くべき？心配のいらない抜け毛と病気に起因する抜け毛の見分け方

換毛は犬の生理現象ですが、換毛期以外にも毛が抜けることがあります。様子を見守って いて心配のいらない抜け毛もありますが、病気が原因となっていて、受診したほうが良い 場合もあります。

抜け毛の時期の被毛をケアするお手入れのポイント

抜け毛ケアで最も大切なのは、いつもより入念な「ブラッシング」です。抜けかけた古い毛を取り去ることで、落ちる毛も少なくなりますし、毛の生え変わりを促すことにもつながります。逆に抜け毛をそのままにしておくと、皮膚トラブルを起こすこともあります。

ブラッシングアイテムにはブラシ、コーム、グローブなどがありますが、愛犬の毛質や長さに合ったものを選んであげてください。グルーミングウォーターなどを使えば、毛の飛散を防げますし、静電気を抑える、絡まりを防ぐといった効果も期待できます。

シャンプーをすることも抜け毛を取り去るのに有効です。ただし、シャンプーのし過ぎは皮脂をうばってしまい、かえってトラブルを起こすことになるので、低刺激のものを選び、月に3回程度にとどめるようにしましょう。

毛を短く刈り込むサマーカットにすることも、ブラッシングやシャンプーの負担軽減につながります。
自分でカットする場合は、バリカンやハサミで皮膚に傷をつけてしまうこともありますので、無理のないできる範囲で行うようにしてください。

飼い主もストレスなくお部屋を掃除するコツ

毎日たくさんの毛が抜ける換毛期、毛の始末やお掃除も大変ですよね。ストレスなく抜け毛をすっきり掃除する方法をご紹介します。

基本は「上から下へ」「隅の方から中心に向かって」

はじめに背の高い家具や棚などの拭き掃除をし、それからソファー、床の順に掃除していきます。

掃除機を使うのは仕上げで

掃除機で吸い取ろうとすると、排気が毛を舞い上がらせたり、毛に含まれる汗や皮脂で掃除機本体に匂いがついたりします。雑巾やフローリングワイパーを使いましょう。ドライタイプで抜け毛を集め、ウエットタイプで水拭きするようにすると万全ですね。

粘着テープやローラーなどで絡め取る

ソファーやカーペットなど布製のものには、粘着クリーナやローラーブラシがおすすめです。また、ゴム手袋や滑り止めのついた軍手も、手にはめてなでるだけで絡みついた抜け毛を取ることができます。ブラッシングと兼用できるグローブタイプのペットブラシもありますので、探してみてはいかがでしょう。

犬の抜け毛は、人間の呼吸器疾患やアレルギーを引き起こすリスクがあるといわれています。またノミやダニが繁殖する要因にもなりますので、こまめにお掃除してください。

抜け毛の飛び散り予防には、服を着せるのもグッド！

服を着せることで抜け毛が部屋中に飛び散るのを防ぐことができます。抜け毛の量自体が減るわけではないので、ブラッシングなどのお手入れは欠かせませんが、掃除の手間を少なくできるのは助かりますよね。普段は部屋で服を着せていない場合もこの時期は着せるとよいでしょう。体温調節の苦手な子や老犬の冷え対策にもなります。
とはいえ、着慣れていない子は嫌がることもありますので、脱ぎ着の楽なアイテムを選んであげましょう。