犬の夏バテ・熱中症のサインとは?愛犬と夏の暑さを乗り切るアイデア 2025/4/11 更新
犬は暑さに弱いもの。記録的な暑さが続くこの頃、愛犬が夏バテや熱中症で体調を崩す心配も…。今回は、夏バテ・熱中症の違いや、その対策についてお届けします。また、夏を快適に過ごせるアイデアと便利なひんやりグッズもご紹介します!梅雨前から、早めの対策をしておきましょう。
1. 犬が暑さに弱いのはなぜ?愛犬が快適に過ごせる温度は?
ワンちゃんが暑さに弱いのは体温が高いから。犬の体温は約38~39℃と人間よりも高めです。さらに、犬は体温調節が苦手です。全身が毛で覆われているうえに、汗をかくための汗腺がほとんど発達していないので、汗をかいて熱を逃がすことができません。犬が体温調節をするためには、パンティングと呼ばれる口呼吸で熱を逃がすしかないのです。
一般的に、小型犬は大型犬よりも暑さに強いと言われています。とはいえ、子犬や老犬、肥満症の犬は、犬種に限らず暑さに弱いもの。また、以下は暑さに弱い犬種です。飼い主さんがしっかり暑さ対策をしてくださいね。
短吻種(または短頭種)
フレンチ・ブルドッグやパグ、シーズーなど。頭蓋骨の長さ(スカル)に比べて、鼻の長さ(マズル)の短い『鼻ぺちゃ犬』のワンちゃんたちは、鼻から気管までの気道が狭くなりやすく、スムーズな呼吸がしづらいため熱を逃がしにくくなりがちです。
短足の犬
ミニチュア・ダックスフンドやコーギー、ペキニーズなど。足が短い犬は、体全体が地面に近くなるため、地面からの熱や照り返しの影響を受けやすくなります。とくに散歩のときは注意しましょう。
毛が長い犬
シベリアン・ハスキーやゴールデン・レトリーバーなど。ダブルコートの毛に覆われた犬種は体温を逃がしにくいため暑さに弱く、熱中症にかかりやすい傾向があります。
愛犬が快適に過ごせる温度は21℃~25℃
愛犬が過ごしやすい温度は21℃~25℃前後です。このとき、湿度は50~60%を保つのが理想。湿度が高いと、呼吸での体温調節がしづらくなってしまいます。温度計や湿度計を使って、こまめにチェックしてあげるとより快適に過ごせますよ。

2. 暑さに強い犬でも要注意!愛犬の夏バテと熱中症のサイン
ワンちゃんも人間と同じように夏バテします。「夏バテ」は体力が少しずつ衰えるのに対し、「熱中症」は突然、症状が現れるのが特徴です。どちらも炎天下だけでなく、室内でもかかることがあるため、暑さに強い犬でも油断は禁物。エアコンが効いていない部屋や、湿度が高い場所ではとくに注意が必要です。
以下に、夏バテと熱中症の代表的な症状とその対処法を紹介します。
症状 | 対処法 | |
---|---|---|
夏バテ | ・食欲がおちる ・動きが緩慢になる ・ぐったりしている ・睡眠時間が長くなる ・下痢や嘔吐の症状が見られる ・落ち着きがなく不安そうにする |
●できるだけ涼しいところに移し、体力の回復に努める ●消化のよい食事を与える(ドライフードはお湯でふやかすと食べやすい) ●下痢・嘔吐などがあれば動物病院を受診し、点滴や薬の処方を受ける |
熱中症 | ・体が熱い ・呼吸が荒くあえぐような息づかい ・反応が鈍い、ふらつく ・麻痺やチアノーゼ(舌の色が濃い紫色に)が見られる *愛犬の舌の色を日頃から把握しておいて、チェックしましょう |
●冷房の効いた部屋でクールダウンし、水分を補給する(冷たい水を少量ずつ、スポーツドリンクの場合は薄めて与える) ●保冷剤や濡らしたタオルで脇の下や首、足の付け根などを冷やす ●応急処置が終わったら(危険な症状が見られるときはすぐ)動物病院で治療を受ける |
愛犬が脱水しているかどうかを確認する方法のひとつが、首の後ろの皮膚をつまんでみることです。皮膚を軽くつまんで、すぐに戻らない場合は脱水気味になっている可能性が。また、目や口のまわりが乾いていたり、おしっこの回数が減っていたりする場合も要注意です。
普段から愛犬の様子をよく観察し、「なんだか呼吸が荒い」「直射日光の当たる場所に長くいた後、ぐったりして元気がない」など、いつもと違う様子があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。早めの対応が愛犬の命を守ることにつながります。

3.夏バテ・熱中症のリスクを防ぐ飼い方は?お家でできる愛犬の暑さ対策
夏の室内は熱がこもりやすいもの。気づかないうちに温度や湿度が上がり、愛犬がぐったり…なんてことにならないよう、エアコンを使って、お家の中を快適な温度に保ちましょう。ただし、エアコンの風が直接、愛犬に当たらないように気をつけてくださいね。
遮光性の高いカーテンをつけたり、ひんやりとしたクールマットを敷いたりすると、より過ごしやすくなりますよ。
暑い日もひんやり快適!リラックスタイムにぴったりの接触冷感マット
ミニーマウスとフルーツ柄が愛らしい、ひんやり接触冷感素材のペット用マットです。車やキャリーなど、夏の外出にも活躍。

4. 夏のお留守番は室温と水分の管理を万全に!
夏のお留守番では、エアコンを必ずつけておくことが大切です。さらに、扇風機やサーキュレーターを併用すると、空気が循環して部屋全体を涼しく保てます。お留守番中でも、新鮮で冷たい水がいつでも飲めるようにしておきましょう。自動給水機を使えば外出中も安心です。
また、定期的なブラッシングで毛を整え、通気性をよくしましょう。ただし、過度なサマーカットは避けましょう。毛を短くしすぎると、紫外線からの保護が不十分になり、愛犬に負担がかかることがあります。適切な毛の長さを保つよう心がけましょう。

5. 夏の愛犬の散歩は早朝や夜に。熱中症&やけど対策をしっかりと!
愛犬が大好きな散歩。ですが、夏は日光の照り返しで地面が60度以上になることも。犬は体が地面に近く、照り返しの熱を直接受けますし、素足で歩くため、足裏の肉球がやけどするリスクがあります。夏の散歩は、早朝や夕方の涼しい時間帯に出かけるようにしましょう。お出かけ前に、飼い主さんが地面の温度を手の平で触って、暑すぎないか確認してくださいね。
それから、散歩中も飲み水を持ち歩き、こまめな水分補給を行いましょう。蚊やダニなどの害虫から、愛犬を守る虫よけグッズも忘れずに。大切な愛犬の健康を守るために準備しておきましょう。
散歩中も涼しく!繰り返し使えるハンディファン
愛犬の持ち運び用バッグやキャリーにクリップで挟んで使えるハンディファン。風量は弱・中・強の3段階。USBケーブルでくり返し充電可能です。

6. 夏におすすめのCaluluのクールウェア&ひんやりグッズ
暑い夏を乗り切る接触冷感生地のクールベッドをはじめ、ひんやり快適なドッグウェア、保冷剤を入れられるベストやバンダナなど、愛犬の暑さ対策に活躍するグッズをご紹介します!
ひんやり気持ちいい!接触冷感クールベッド
暑い夏にぴったりの接触冷感生地のクールベッド。顎や頭をのせる枕付きでワンちゃんもリラックス。洗濯機で洗濯可能なので汚れても安心です。
大人気のLOGOSの枕付きクールベッドがアップデート!綿を増量してふんわり感がアップしました。裏面の滑り止めが改良され、より安定感のある仕上がりに。接触冷感生地を使用。
アイスを持ったシロクマの柄が涼しげな、接触冷感のCOOLINGベッドとCOOLINGマット。
肌に触れるとひんやりとした冷感が得られる生地を使用したベッドはS、Mの2サイズ展開。
ひんやり爽快!おしゃれで涼しいドッグウェア
ミニーマウスとフルーツ柄を散りばめたキュートなプルオーバー。レーヨン混のなめらかなカットソーに、天然の鉱石(ヒスイ)を糸に練りこんだ接触冷感素材を使用。
夏のお散歩に欠かせない!暑さから愛犬を守るひんやりグッズ
熱を蒸発させる気化熱の仕組みと保冷剤でW冷感効果を発揮!濡らして使うクールベストとクールネック。ともに保冷剤を入れるポケット付き。太い血管のある脇の下や鼠径部周り、元を冷やすことで、熱中症を回避できます。セットで使用すると効果大!
真夏の日差しから愛犬の頭部をしっかり守る、LOGOSのUV加工付き帽子が新登場!
内側のベルトや後ろについたコードを使って頭の深さや顔回りを調節できます。
日差し対策もおしゃれに。フリル付きのデザインが愛らしい、ANNA SUIのUV加工付き帽子が新登場。後ろについたコードを使って顔回りを調節できます。
ひんやりウエアやクールアイテム、もっと詳しく知りたい方はこちら
ワンちゃんは暑さが苦手なもの。夏バテや熱中症を防ぐためにはお家の環境を整えたり、ひんやり効果のあるドッグウェアを着せたり、散歩のときにクールアイテムを使ったりしてくださいね。愛犬も飼い主さんも暑さ対策を万全にして、暑い夏も元気に楽しみましょう。

しおせ犬猫病院 塩瀬 将之 院長
2000年に日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)を卒業後20年以上に渡り獣医として活躍中。
2009年5月に神奈川県横浜市に『しおせ犬猫病院』を開院後は、自身も動物を飼っていることから、動物たちを愛する飼い主として、飼い主さんの立場に立ち動物に寄り添った診療をされています。